- はじめに:なぜ「良かれと思ったリニューアル」で失敗するのでしょうか?
- 成果が上がらない原因ランキング TOP10
- 深層分析:なぜ同じ失敗が繰り返されるのでしょうか?
- リヌーボデザインからのご提案
はじめに:なぜ「良かれと思ったリニューアル」で失敗するのでしょうか?
数年に一度のビッグイベントである、ホームページのリニューアル。「デザインを新しくして、ブランドイメージを一新したい!」「もっと問い合わせを増やしたい!」と、多くの期待を込めてスタートするプロジェクトのはずです。
しかし、残念ながら現実は厳しいものです。「リニューアルしたのに問い合わせが増えない」「以前よりも検索順位が下がってしまった」……そんな悲鳴のような相談が、実は後を絶ちません。
なぜ、多額の予算と時間をかけたリニューアルが失敗に終わってしまうのでしょうか?
本記事では、リヌーボデザイン(当社のWeb再生事業)の経験と、Webマーケティングの現場データに基づき、「成果が上がらない原因 TOP10」をランキング形式でご紹介します。
失敗の原因を事前に知っておくことが、成功への一番の近道です。これからリニューアルを考えている方も、リニューアル後の不振に悩んでいる方も、ぜひチェックリストとしてご活用ください。
成果が上がらない原因ランキング TOP10
ここからは、影響度が大きく、かつ頻繁に起こりうる失敗原因をランキング順に見ていきましょう。
【第1位】戦略と目的があいまい(「なんとなくリニューアル」の罠)
「なぜ変えるのか」を言葉にできますか?
堂々の(そして残念な)第1位は、技術の話ではなく、プロジェクトの出発点である「戦略の不在」です。
「サイトが古くなったから」「競合がリニューアルしたから」「スマホ対応したいから」。これらはリニューアルの「きっかけ」にはなりますが、ビジネス上の「目的」ではありません。
本来の目的は、「月間の問い合わせを10件から30件にする」「採用のエントリー数を倍にする」といった、具体的で数字で測れるゴールであるべきです。ここがあいまいだと、デザインや機能の決定基準が「担当者や社長の好み」になってしまいがちです。
提案依頼書(RFP)を作っていない
制作会社に「いい感じに提案してください」と丸投げしていませんか?
RFP(提案依頼書)は、いわば「家の設計図」です。これがないまま進めるのは、設計図なしで家を建てるようなもの。ビジネスの課題やターゲット、予算感をしっかり伝えないと、見た目は綺麗だけど中身がスカスカなサイトが出来上がってしまいます。
【第2位】SEOの引き継ぎ失敗(検索順位が圏外へ!?)
「301リダイレクト」をご存知ですか?
第2位は、ビジネスに即座に大ダメージを与える「SEO移行の失敗」です。特に多いのが、URLが変わったのに「301リダイレクト」の設定を忘れてしまうケースです。
Webサイトは、長年の運営でGoogleからの「評価」や他サイトからの「リンク」という資産を積み上げています。リニューアルでURLが変わる際、このリダイレクト設定(古い住所から新しい住所への転送届のようなもの)をしないと、これまでの資産がすべてゼロになります。
その結果、検索順位が圏外に飛び、アクセスが激減してしまうのです。これは「知らなかった」では済まされない、致命的なミスと言えます。
コンテンツを安易に消してしまう
「デザインをスッキリさせたいから」といって、過去のブログや事例ページを削除していませんか? 実はサイトへのアクセスの多くは、トップページではなく、こうした下層ページへの検索流入が支えています。安易な削除は、集客の入り口を自ら塞ぐようなものです。
【第3位】独りよがりなデザイン(使いにくさがストレスに)
「おしゃれ」だけど「迷子になる」サイト
「他社と差別化したい」という思いが強すぎて、ユーザーにとって使いにくいサイトになっていませんか?
例えば、英語ばかりのメニュー(Company, Products…)、どこを押せばいいかわからないアニメーション、独特すぎるスクロール動作などです。
ユーザーは、あなたのサイトの使い方を勉強しに来ているわけではありません。知りたい情報にすぐにたどり着けないとわかると、数秒で「戻る」ボタンを押して離脱してしまいます。「考えさせないデザイン」こそが、成果を出すための鉄則なのです。
スマホでの使い勝手を無視していませんか?
BtoB企業であっても、今は多くの方がスマホで情報をチェックします。
「ボタンが小さくて押せない」「文字が小さすぎて読めない」「重要な情報がページのずっと下にある」。こうした「スマホ冷遇」なサイトは、Googleからの評価も下がり、大きな機会損失を生んでしまいます。
【第4位】言いたいことしか書いていない(インサイド・アウト思考)
「会社自慢」「サービス自慢」になっていませんか?
リニューアル後のサイトでよく見かけるのが、企業の組織図や製品カテゴリーありきで情報が並んでいるケースです。これを「インサイド・アウト(内向き)」の視点と呼びます。
しかし、お客様が知りたいのは「自社の課題が解決できるか」だけです。「社長の挨拶」や「最新の人事情報」がトップページの特等席にあり、肝心の「導入メリット」や「解決事例」が奥深くにある……これではお客様の心には響きません。
具体的で専門的な情報がないと信頼されません
「高品質」「迅速対応」「お客様第一」。これらは耳触りは良いですが、どこの会社でも言えることです。
お客様が求めているのは、「生産性が◯%向上した」というデータや、「なぜ高品質なのか」を裏付ける技術的な解説です。中身の薄いコンテンツは、いくらデザインが綺麗でも「検討に値しない」と判断されてしまいます。
【第5位】問い合わせへのハードルが高い(出口が狭い)
そのボタン、押したくなりますか?
アクセスはあるのに問い合わせが来ない場合、その原因の多くは「CTA(行動喚起)」ボタンにあります。
「お問い合わせ」というボタンひとつだけを置いていませんか? まだ検討段階のお客様にとって、いきなり問い合わせをするのは勇気がいります。「資料ダウンロード」や「見積もりシミュレーション」など、気軽に行動できる選択肢を用意することが大切です。
入力フォームでイライラさせていませんか?
いざ問い合わせようとしたのに、入力項目が多すぎたり、エラーが頻発したりすると、お客様は面倒になってやめてしまいます。
「フリガナは必須にする必要があるか?」「住所は郵便番号だけで自動入力できないか?」など、入力の手間(ストレス)を徹底的に減らす工夫が必要です。
【第6位】サイトの表示が遅い(待たされると人は帰ります)
画像や動画を詰め込みすぎていませんか?
「インパクトのあるサイトにしたい」と、高画質の大きな画像や動画をたくさん使っていませんか? 見た目は豪華になりますが、その分サイトは重くなり、表示に時間がかかるようになります。
Googleの調査によると、モバイルページの読み込みに3秒以上かかると、半数以上の人が離脱してしまうそうです。また、表示速度はGoogleの検索順位を決める要因(Core Web Vitals)にもなっています。「遅い」というだけで、集客と接客の両面で損をしてしまうのです。
【第7位】更新できない・運用できない(作った後が考えられていない)
担当者が使いこなせないシステム
高機能なCMS(更新システム)を入れたけれど、操作が難しすぎて担当者が触れない……というケースもよくあります。
ちょっとした文字修正やニュースの更新ですら制作会社にお願いしなければならず、時間もお金もかかってしまう。これでは、ビジネスのスピード感についていけません。
リニューアルで力尽きていませんか?
「公開したら終わり」ではありません。Webサイトは公開してからがスタートです。
しかし、制作で予算を使い果たし、その後の運用や改善にお金や人を割けないケースが多いです。放置されたサイトは、時間の経過とともに成果が出なくなっていきます。
【第8位】データの計測・分析をしていない
「なんとなく」で判断していませんか?
リニューアルでURLが変われば、Googleアナリティクスなどの設定も見直しが必要です。しかし、設定漏れやミスが多く、正しいデータが取れていないことがあります。
また、データが取れていても、「今月は何人来ました」という報告だけで終わっていませんか? 「どのページで帰ってしまったのか」「どのボタンが押されているのか」を分析し、改善を繰り返す(PDCAを回す)ことではじめて、サイトは成長していくのです。
【第9位】信頼性とセキュリティの欠如
「この会社、本当に大丈夫?」と思われていませんか?
初めて訪れるお客様は、常に不安を感じています。「実績はあるのか?」「実在する会社なのか?」
お客様の声、具体的な導入事例、主要取引先、スタッフの顔写真。これら「証拠」がないサイトは、どんなに良いことを書いていても、最後のひと押し(問い合わせ)に至りません。
「保護されていない通信」は論外です
SSL(通信の暗号化)の更新を忘れて、ブラウザに「保護されていない通信」と警告が出てしまう。これは信頼を一瞬で失う致命的なミスです。セキュリティへの意識が低い会社に、大切な情報を預けようとは思いませんよね。
【第10位】社内の意見調整に失敗(「船頭多くして船山に登る」)
いろんな部署の意見を全部入れた「幕の内弁当」
営業は「製品を!」、人事は「採用を!」、広報は「CSRを!」。それぞれの部署の要望を調整できず、トップページにすべてを詰め込んでしまうと、結局「誰に何を伝えたいのかわからない」サイトになってしまいます。
社長の一言でちゃぶ台返し
データに基づいて設計したのに、最後の最後で上層部の「なんとなくこっちの色が好き」という一言でひっくり返る。これもよくある失敗パターンです。ターゲット顧客の視点ではなく、社内政治で決まったデザインが成果を出すことは、まずありません。
深層分析:なぜ同じ失敗が繰り返されるのでしょうか?
これら10の原因は、バラバラに起きるわけではありません。根底には、Webサイトに対する「思い込み」があります。
1.「建物」ではなく「生き物」です
多くの企業様は、Webサイトを「一度建てれば長く使えるビル(ストック)」のように考えています。しかし、Webサイトは常に変化する市場や技術に合わせて育てていく「サービス(フロー)」です。リニューアルを「ゴール」にしてしまうと、その後の成長が止まってしまいます。
2.「見えない部分」をケチってしまう
デザインや文章といった「目に見える部分」には予算が付きやすいですが、サーバーやセキュリティ、SEOの内部設計といった「見えないインフラ部分」は軽視されがちです。しかし、サイトの表示速度や安定性を支えているのは、この基礎工事の部分なのです。
リヌーボデザインからのご提案
ここまで、少し耳の痛い話もあったかもしれません。しかし、これらは事前に知っていれば防げるものばかりです。
リヌーボデザインでは、失敗しないリニューアルのために、以下の3つのステップを大切にしています。
- 現状診断(As-Is): 感覚ではなくデータで、今のサイトの健康状態をチェックする。
- 戦略設計(To-Be): 「言いたいこと」ではなく「顧客が知りたいこと」を中心に設計する。
- 運用体制の構築: 公開後も自分たちで育てていける仕組みを作る。
「もったいないサイト」になっていませんか?
もし、貴社のWebサイトに以下のような症状があるなら、それは危険信号かもしれません。
- リニューアルしたのに、問い合わせが増えない(むしろ減った)。
- 検索順位が下がり、アクセスが減っている気がする。
- 社内で「使いにくい」と言われているが、どこを直せばいいかわからない。
- これからリニューアルしたいが、何から始めればいいか不安だ。
そんな時は、一度プロの目でサイトを診断してみませんか?
リヌーボデザインでは、貴社のサイトに潜む課題を特定する「サイト診断セッション」を実施しています。
【期間限定】サイト診断セッションのご案内
単なる「ダメ出し」ではありません。貴社のビジネスゴールに向けて、具体的にどう改善すればいいのか、プロの視点でロードマップをご提示します。
- 内容: Zoomによる1対1のオンラインセッション(45分)
- 診断でわかること:
- なぜ成果が出ないのか、その「真の原因」
- 競合他社と比較したサイトの実力
- 今すぐやるべき改善の優先順位
- 料金: 通常 11,000円 → 初回限定 5,500円(税込)
- 安心保証: もし内容にご満足いただけなかった場合は、理由を問わず全額返金いたします。
失敗の原因を知ることは、成功への第一歩です。
リニューアルという大きな投資を無駄にしないために、まずは現状を正しく知ることから始めましょう。
【補足】知っておきたいWebの豆知識
A. コンバージョン率(CVR)を上げる公式
CVR = ( 意欲 × 価値提案 × 今やる理由 ) / ( 手間 × 不安 )
成果を出すには、サイトの魅力を上げる(分子を増やす)だけでなく、使いにくさや不安(分母)を徹底的に減らすことが重要です。
B. 表示速度は「1秒」が命取り
Googleのデータによると、ページの読み込みが「1秒」から「3秒」になるだけで、直帰率(すぐ帰ってしまう率)は32%も悪化します。5秒かかると90%悪化です。デザインに凝りすぎて重くなるのは、本末転倒ですね。


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