ホームページリニューアルの費用と効果は比例しない、という不都合な真実

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「ホームページをリニューアルすれば、きっと売上が上がるはず」

「高いお金を払って大手に頼めば、良いホームページができるに違いない」

もし今、ホームページのリニューアルを検討中でこのように考えているとしたら、少しだけ立ち止まってください。

経営者やWeb担当者にとって、ホームページのリニューアルは数年に一度の大きなプロジェクトです。失敗したくないという思いから、「相場はいくらか?」「どこの会社なら安心か?」と情報を集めていることでしょう。

しかし、Web業界には一般の感覚とは少し違う、ある「不都合な真実」が存在します。

それは、「リニューアルにかける費用と、そこから得られる効果は比例しない」ということです。

500万円をかけた立派なサイトが全く集客できない一方で、わずか30万円で手直ししたサイトが毎日のように問い合わせを生み出す——。そんなことが日常茶飯事で起きているのがWebの世界です。

今回は、なぜそんな逆転現象が起きるのか、そして私たちリヌーボデザインが大切にしている「Web再生(Webリノベーション)」という考え方について、少し専門的なお話も交えながら、わかりやすく解説していきます。

なぜ「高いサイト」が失敗してしまうのか?

お金を出せば「成果」が買えるわけではない

一般的に、高い車を買えば性能が良いですし、高い食事は美味しいものです。しかし、Webサイト制作においては、この「金額=品質(成果)」の方程式が必ずしも成り立ちません。

なぜなら、見積もりに書かれている「制作費」の正体が、必ずしも「成果を生むための機能」の価格ではないからです。

例えば、大手制作会社に数百万〜一千万円クラスの見積もりをお願いしたとします。もちろん、素晴らしいデザインと安心感が得られるでしょう。ですが、その費用の内訳を見てみると、一等地のオフィス賃料や、多くの営業マンの人件費、プロジェクトを管理するディレクション費といった「間接コスト」が大きな割合を占めていることがよくあります。

誤解を恐れずに言えば、「1,000万円のホームページ」と「100万円のホームページ」の違いは、見た目の豪華さや関わる人の数であって、「問い合わせの数」が10倍違うわけではないのです。

「デザインへのこだわり」が招く悲劇

よくある失敗パターンの一つに、「デザイン過多」があります。

「せっかくリニューアルするなら、競合他社よりもカッコよくしたい!」「流行りの動きを取り入れたい!」と意気込むあまり、本来の目的を見失ってしまうケースです。

  • アニメーションが多すぎて、スマホでの表示が遅い
  • メニューがおしゃれな英語表記すぎて、どこに何があるかわからない
  • 文字が小さくて読みづらい

これらはすべて、ユーザー(お客様)にとって「使いづらい(ユーザビリティが低い)」要素です。どんなに数百万かけて美しい「作品」を作っても、ユーザーが「使いにくいな」と感じて去ってしまえば、ビジネスとしての効果はゼロ、あるいはマイナスになってしまいます。

「リニューアルすること」がゴールになっていませんか?

もっとも危険なのは、プロジェクトの目的が「古くなったサイトを新しくすること」そのものになってしまうことです。

本来の目的は「問い合わせを月50件に増やす」とか「採用のエントリー数を増やす」といった具体的な成果のはずです。しかし、制作が進むにつれて、社内の意見調整やスケジュールの消化に追われ、いつの間にか「無事に公開すること」がゴールになってしまう……。

こうして出来上がったサイトは、見た目は新品でも、中身(コンテンツ)は以前と変わらない、あるいはSEO(検索対策)の観点では以前より弱くなってしまっていることさえあるのです。

「相見積もりで安いところを選ぶ」が通用しない理由

コストを抑えるために、複数の会社から相見積もり(コンペ)をとって、一番安い会社に発注しようと考えることもあるでしょう。しかし、これもWeb制作においては大きな落とし穴があります。

「リンゴ」と「オレンジ」を比べていませんか?

A社から「50万円」、B社から「200万円」という見積もりが出てきたとします。

金額だけ見ればA社が魅力的に見えますが、実はこの2社、提案している内容がまったくの「別物」であることが多いのです。

A社(50万円)の内容

  • 決まった「型(テンプレート)」に、御社から頂いた原稿と写真を流し込むだけ。
  • SEO対策やマーケティングの戦略設計は含まれない。
  • 公開後のサポートはなし。

B社(200万円)の内容

  • 御社の強みをヒアリングし、プロが原稿を作成。
  • 「どんなキーワードで検索されたいか」を調査し、サイト設計に反映。
  • リニューアル前のサイトの評価を引き継ぐ設定(リダイレクト)を含む。

A社は単なる「箱」を作る費用、B社は「売れる仕組み」を作る費用です。これを金額だけで横並びに比較するのは、軽自動車とダンプカーを価格だけで比べるようなもので、あまり意味がありません。

安易に安い業者を選んだ結果、「サイトはできたけど、誰も見に来ない」「更新の仕方がわからなくて放置」といった状態になり、結局またお金をかけて作り直すことになる……これこそが「安物買いの銭失い」の典型例です。

費用の正体とは? 成果を出す「20%」に投資する

では、リニューアルにおける「妥当な費用」とは何なのでしょうか?

ここで知っておいていただきたいのが、「パレートの法則(80:20の法則)」という経済学の考え方です。

成果の8割は、サイトの2割の要素で決まる

実は、ホームページから得られる成果(売上や問い合わせ)の80%は、サイトを構成する要素のうち、たった20%の「重要な部分」によって生み出されています。

成果を生む20%の要素

  • キャッチコピー
    ユーザーの悩みに刺さる言葉か?
  • 商品やサービスの魅力
    「何がすごいのか」「自分にどう役立つのか」という特徴や強みが、一目で伝わるようになっているか?
  • オファー(提案)
    「無料相談」「資料請求」など、申し込みたくなる理由があるか?
  • CTAボタン
    ボタンの位置や色は押しやすいか?
  • 表示速度
    スマホでサクサク動くか?

成果への影響が低い80%の要素

  • スライドショー(カルーセル)
     実は多くのユーザーが1枚目しか見ておらず、クリック率も低い傾向にあります。
  • 凝った背景画像や動画の装飾
    デザインの自己満足になりがちで、本質的な情報の邪魔になることがあります。
  • 複雑なアニメーション
    表示速度を遅くしたり、ユーザーの気を散らせたり、イライラさせる原因になります。
  • 社長の挨拶などの抽象的な長文
     ユーザーが知りたいのは「自分の悩みが解決するか」であり、会社の歴史や理念は二の次です。
  • 過剰なシステム機能
    「いつか使うかも」と実装した会員機能や複雑な予約システムなどは、運用コストだけを増大させます。

失敗するリニューアルの多くは、効果の薄い「装飾(80%の部分)」に予算の大半を使ってしまっています。逆に、低予算でもめちゃくちゃ効果が出るサイトというのは、この「重要な20%」にリソースを集中投下しているのです。

極端な話、デザインが少し素朴でも、そこに書かれている言葉がお客様の心を掴み、申し込みボタンがわかりやすい場所にあれば、サイトは驚くほど機能します。

「スクラップ&ビルド」から「Webリノベーション」へ

私たちリヌーボデザインは、業界に蔓延する「前の制作会社が作ったホームページを否定・批判する」「とりあえず全部壊して新しく作り直す」というスクラップ&ビルドのやり方に疑問を持っています。

長年運営してきたサイトには、Googleからの評価や、積み上げてきたコンテンツという「見えない資産」があります。フルリニューアルで主要ページのURLが変わったり、ページを削除したりすることで、この資産がリセットされ、検索順位が急落するリスクがあることをご存知でしょうか?

そこで私たちが提唱しているのが、「Web再生(Webリノベーション)」という新しい選択肢です。

使えるものは使い、悪いところだけ直す

家のリフォームと同じように、Webサイトも「基礎」や「柱」がしっかりしているなら、すべてを壊す必要はありません。デザインが良ければそのまま活用できます。

  • Re:Think(再定義)
    そもそも誰に何を伝えたいのか、目的を見直す。
  • Re:Design(再設計)
    見た目ではなく「使いやすさ(導線)」を設計し直す。
  • Re:Build(再構築)
    既存のシステムを活かしつつ、必要な箇所だけ改修する。
  • Re:Value(再価値化)
    サイトを「広告」から「資産」へと生まれ変わらせる。

このプロセスなら、数百万円かけてギャンブルのようなフルリニューアルをする必要はありません。予算を抑えつつ、成果を阻害しているボトルネックだけをピンポイントで解消することができるのです。

実際に、サイト全体を作り変えなくても、問い合わせが数倍になったという事例はたくさんあります。

まずは「診断」から始めませんか?

ここまでお話ししてきた通り、ホームページリニューアルにおいて「費用」と「効果」は比例しません。比例するのは「戦略の深さ」と「効果」です。

今、リニューアルを検討されているなら、いきなり制作会社に見積もりを依頼するのはやめてください。

病院に行っていきなり「手術してください」と言う人はいませんよね? まずは検査をして、どこが悪いのかを特定するのが先決です。Webサイトも同じです。

  • 今のサイトのどこが問題で成果が出ていないのか?
  • 逆に見守るべき「資産」はどこなのか?
  • 本当にフルリニューアルが必要なのか、部分改修で済むのか?

これらを客観的なデータに基づいて診断することから、すべては始まります。

リヌーボデザインの「サイト診断セッション」

私たちリヌーボデザインでは、Web再生のプロフェッショナルとして、あなたのサイトの健康状態をチェックする「サイト診断セッション」を行っています。

45分間のZoomセッションで、現状の課題を浮き彫りにし、「今、何をすべきか」という具体的なアクションプランをご提示します。

通常価格 11,000円のところ、現在はキャンペーン価格 5,500円でご提供しています。

数百万円の予算を投じて「賭け」に出る前に、まずは数千円の投資で、既存のサイトを見つめ直してみませんか?

「費用対効果」が合わないリニューアルで後悔する企業を一社でも減らしたい。失敗してから相談に来る企業を一社でも減らしたい。それが私たちの願いです。

私たちは“リニューアル後”のWeb再生の専門家です

私たちリヌーボデザインは、リニューアルに失敗したWebサイトを「再生」させることに特化しています。

Re:Think → Re:Design → Re:Build → Re:Valueの4つの再生プロセスで、あなたの「もったいないサイト」を「働くサイト」へ生まれ変わらせます。

ここまで築き上げてきた価値を最大限に活かし、問題点だけを的確に修正して蘇らせる「リノベーション型Web制作」を行っています。

失敗した…と諦める前に、ぜひご相談ください。

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