はじめに
「ホームページのデザインが古くなってきたから、心機一転、全部作り直そう!」
「システムが使いにくいから、新しい制作会社でリニューアルしよう!」
もし今、そんなふうに考えて数百万円の見積書に判を押そうとしているなら、少しだけ待ってください。その決断、実は会社の資産をドブに捨てることになるかもしれません。
日本のWeb業界では、長らく「古くなったら壊して作り直す(スクラップ・アンド・ビルド)」という考え方が当たり前でした。しかし、私たちはあえて言います。ホームページのフルリニューアルは、あくまで最終手段です。
リヌーボデザインが提案するのは、今あるWebサイトを「失敗作」として捨てるのではなく、磨けば光る「資産」として捉え直し、必要な部分だけを賢く改修するWebサイト再生(リノベーション)です。
今回は、なぜ「作り直し」が危険なのか、そして私たちが提唱する「4つの再生プロセス」でどのようにサイトを蘇らせるのか、その全貌をわかりやすく解説します。
1. そのリニューアル、本当に必要ですか?「全部作り直し」に潜む2つの巨大リスク
Webサイトのリニューアルには、経営者や担当者も気づきにくい「2つの大きな落とし穴」があります。
これを知らずに進めると、数百万円を投資したのに成果が出ない、むしろ悪化するという事態になりかねません。
リスク①:数百万円かけた「ギャンブル」で負ける確率が高い
衝撃的なデータがあります。
Webサイトのリニューアルを行っても、期待した成果(売上や問い合わせ増)が出る確率はわずか3割程度と言われています。残りの7割は、「変わらない」か、最悪の場合は「成果が落ちる」のです。
フルリニューアルは、デザインも中身もガラッと変えてしまうため、ユーザーが「どこに何があるかわからない」と混乱したり、今まで上手くいっていた部分まで変えてしまったりするリスクがあります。
「新しいデザイン=売れる」とは限らないのです。
リスク②:見えない資産(SEO評価)が一瞬で消える
長年運営してきたWebサイトには、目に見えない「資産」が積み上がっています。それは、Googleなどの検索エンジンからの「信頼」です。
「このサイトは有益だ」という評価や、他サイトからのリンク、検索順位といった実績は、ドメイン(住所)やURL(ページのアドレス)に紐付いています。
安易にリニューアルをして、「ページのアドレスが変わりました」という連絡(リダイレクト設定)を正しく行わないと、これまでの評価はゼロにリセットされます。
「リニューアルした翌日から検索順位が圏外に飛び、電話が鳴らなくなった」という悲劇は、実は頻繁に起きているのです。
2. なぜ制作会社は「リノベーション」ではなく「作り直し」を勧めるのか?
「悪いところだけ直せばいいじゃないか」と思いますよね?
家のリフォームと同じで、基礎がしっかりしているなら、壁紙やキッチンだけ変えれば安く済みます。
しかし、多くのWeb制作会社は「今のサイトはシステムが古いので、全部作り直した方がいいですよ」「デザインも一新した方が良いですよ」と提案してきます。
これには、制作会社側の「人が作ったものは触りたくない事情」があるのです。
他人が書いたコードは「ブラックボックス」
他社が制作したWebサイトの裏側(PHPなどのプログラムやHTMLやCSS)は、その会社独自の書き方で作られていることが多く、他のエンジニアやデザイナーから見ると解読が非常に困難です。
解析をするために多くの時間を要し、「どこを触ったらどこが壊れるかわからない」「潜在的な不具合がある」というリスクもあるため、他人の作ったサイトを修正するのを嫌がります。
「作り直した方が儲かる」という業界の構造
制作会社にとっては、細かい修正を重ねるよりも、数百万円の予算で一から作り直す方が売上が立ちやすく、管理も楽です。「責任を持ちたくない」「面倒な解析をしたくない」という理由から、お客様にとってはメリットのある「部分改修」が提案されにくいのが現状です。
しかし、私たちリヌーボデザインは違います。他社が作ったサイトでも積極的に「再生」を引き受けます。 それがお客様にとって最もコストパフォーマンスが良く、理にかなった選択だと知っているからです。
3. 失敗したサイトを蘇らせる!Renoovo Design独自の「4つの再生プロセス」
私たちは、いきなりデザイン案を作り始めたりしません。むしろデザインは既存のものを活用することの方が多いです。
以下の4つのステップ(Re:Think → Re:Design → Re:Build → Re:Value)で、外科手術のように的確にサイトを治療・強化します。
Step 1. Re:Think(戦略再考):悪いのはどこ?徹底的な現状診断
まずは「健康診断」です。
「なんとなくデザインが古い」といった感覚値ではなく、Googleアナリティクスなどのデータを見て、「どのページでお客さんが帰ってしまっているのか」「どのページが稼いでいるのか」を特定します。
実は、ほとんど誰も見ていないページにお金をかけてデザインし直しても意味がありません。
「ここを直せば数字が上がる」という急所を見極めるのが、Re:Thinkです。
Step 2. Re:Design(設計刷新):見た目だけでなく「体験」を変える
デザインと言っても、見た目の装飾のデザインではなく、設計のデザインを見直します。
「お問い合わせボタンが押しにくい」「スマホだと文字が小さくて読めない」といった、ユーザーがストレスを感じている部分(UI/UX)を重点的に改善します。
トップページや重要なランディングページをしっかり見直して作り直すだけでも、ユーザーに与える印象やユーザーの動きは劇的に変わります。
Step 3. Re:Build(技術的再構築):裏側を整理整頓する「リファクタリング」
ここが私たちの腕の見せ所です。見た目は変えずに、裏側のぐちゃぐちゃになったプログラムやコードをきれいに書き直す技術を「リファクタリング」と言います。
デザインはそのままに、WordPressのテーマの入れ替え(独自テーマから人気テーマへ変更)などもよく行います。
- 表示速度が速くなる
高速化機能が標準搭載されているため、表示スピードが改善し、ユーザー体験が向上します。 - SEO的に有利になる
Googleの評価基準(Core Web Vitals等)に最適化された内部構造を持っているため、検索順位が上がりやすくなります。 - 管理が楽になる
Web担当者様が管理画面から簡単に更新できるようになります。何か分からないことがあってもGoogle検索すればすぐに解決策が見つかります。 - 常に最新
テーマのアップデートによって、常に最新のセキュリティと機能を保つことができます。 - 拡張性が自由
特定の制作会社に依存しないため、将来的な機能追加やデザイン変更も自由自在になります。
Step 4. Re:Value(価値再定義):作ってからが本番
サイトは公開して終わりではありません。再生した土台の上で、ブログやお知らせを更新し、継続的に価値を高めていきます。私たちはWebサイトの価値を高めていくための提案も得意です。
「小さく直して、大きく育てる」。これが、資産を無駄にしないWeb運営の鉄則です。
4. 【投資対効果の比較】フルリニューアル vs Web再生
では、実際にどれくらいコストが変わるのでしょうか。一般的な中規模サイト(100ページ程度)を例にシミュレーションしてみましょう。
※費用はあくまで例です。見積もり金額ではありません。サイトの内容や状況によって異なります。
| 項目 | フルリニューアル | Web再生 |
| 費用 | 300万円 | 120万円 |
| 期間 | 3ヶ月〜半年 | 2ヶ月 |
| SEOリスク | 順位下落の危険大 | 資産を継承するため安全 (上昇の可能性大) |
フルリニューアルで300万円かけて「器」だけ新しくしても、集客するための広告費が残っていなければ本末転倒です。
Web再生なら、費用を60%もカットできます。浮いた180万円をWeb広告やコンテンツ制作に回せば、初月から確実にお客様を集めることができます。
「3ヶ月〜半年待って、効果が出るかどうか分からない」のと、「2ヶ月で改善して効果が出始める」のと、どちらが経営的に正解かは明らかです。
5. 資産を守り抜くための技術:「301リダイレクト」と「リファクタリング」
少しだけ専門的な話をさせてください。私たちがなぜ「資産を守れる」のか、その根拠となる技術です。
検索順位を守る命綱「301リダイレクト」
サイトのURLを変更せざるを得ない場合、「古い住所に来た人を、自動的に新しい住所へ転送する」設定(301リダイレクト)を1ページずつ丁寧に行います。
これをサボって「全部トップページに転送すればいいや」と適当な処理をする制作会社も多いのですが、それではGoogleからの評価が引き継がれません。私たちは、泥臭い作業を厭わず、お客様の検索順位を死守します。
将来のコストを下げる「リファクタリング」
「リファクタリング(コードの整理)」や一般的で誰でも触れるような形にしておくと、将来機能を追加したくなった時に、短時間で安く対応できるようになります。
いわば、家の配管や配線をきれいに整理しておくようなものです。次に工事をする職人さんがすぐに状況を理解できるため、メンテナンスコストが劇的に下がります。
6. 「もったいないサイト」の復活劇:成功事例
実際に、フルリニューアルを回避して成功した事例をご紹介します。
【事例1】「350万円かかる」と言われた製造業サイトを、60万円で再生
ある製造業のお客様は、「サイトが古くてスマホにも対応できていないし、セキュリティ対策もできていないし、掲載している情報も古いので、この際、全て作り直しましょう。350万円です」と言われていました。
リヌーボデザインで診断したところ、掲載されている技術情報は非常に価値が高く、多くのアクセスを集めていました。少し手を加えるだけで再生できることがわかりました。
そこで、「トップページと主要ページはより魅力が伝わるように変更し、そのほかの大部分のページは微調整する程度に抑え、見た目のデザインもそのまま変えずに、スマホには完全対応させるという処置を実施。費用は約6分の1の60万円で済み、問い合わせが月1〜2件から5件〜6件に増えました。
【事例2】リニューアル失敗で順位下落!新規生徒が来なくなった教室のホームページを再生
デザイン会社でフルリニューアルした直後、検索順位が圏外になり、生徒さんが来なくなった英会話スクール様からのご相談。
調査すると、基本のSEO対策がされていない、多くのページでURLが変わっているのに転送設定がされていない、コンテンツ量(ページ数や文字数)が大幅に減っているという状況でした。
すぐにSEO対策をしっかりと行い、旧URLからの転送設定を行い、Googleに再審査を依頼。
さらに、重要だったコンテンツを復活させたり、新しく追加するべきコンテンツを提案させていただいた結果、検索順位も回復し、お問い合わせ率・お問い合わせ数ともに増加し、新たな潜在顧客の掘り起こしにも成功しました。
結論:「壊す」前に、まずはご相談を。
日本人が持つ「もったいない」の精神は、Webサイトにおいても重要です。
過去の担当者や経営者、あなたが情熱を込めて作ってきたサイトには、必ず価値があります。それを安易に捨ててはいけません。
ホームページの作り直しは、あくまで最終手段です。
数百万円の損失と、積み上げてきた資産の喪失を防ぐために、まずはWeb再生の可能性を探ってみませんか?
あなたのWebサイトは、まだ死んでいません。「再生」すれば、もっと働ける優秀な営業マンに生まれ変わるはずです。

