ホームページリニューアルの最適な依頼先の見つけ方・正しい依頼方法

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  1. はじめに:ホームページリニューアルの構造的課題と「ガチャ」の正体
    1. 「リセット」への依存とリノベーションの必要性
  2. 1.失敗の確率を下げるための「正しい依頼準備」:RFP(提案依頼書)の設計
    1. RFP(提案依頼書)の本質的な役割
    2. 成果を出すRFPの必須構成要素
    3. 目的設定の成否:「良い目的」と「悪い目的」
      1. NGな目的の例(曖昧・手段の目的化)
      2. 良い目的の例(定量的・経営課題直結)
  3. 2. 予算別・市場相場から見る依頼先の選定区分とリスク
    1. 価格帯別サービス比較と選定基準(2025年版市場相場)
    2. 予算設定の落とし穴:「安さ」の代償と「高さ」の理由
  4. 3. 依頼先チャネル別の特徴と注意点:どこで探すべきか
    1. 4.1 知人・友人の紹介
      1. メリット
      2. 注意点とリスク(友達価格の罠)
    2. Web制作会社マッチングサイト・一括見積もりサービス
      1. ビジネスモデルの構造
      2. メリット
      3. 注意点とリスク
    3. 地元の制作会社(近隣の制作会社)
      1. メリット
      2. 注意点とリスク
    4. クラウドソーシング(ランサーズ、クラウドワークス等)
      1. メリット
      2. 注意点とリスク
    5. 検索エンジン・SNSでの直接検索(指名検索)
      1. メリット
      2. 注意点
  5. 4. 失敗しないための「ガチャ」回避法:選定の具体的基準とチェックポイント
    1. ポートフォリオ(制作実績)の「解像度」を上げる
    2. Googleマップの口コミを「裏読み」してサクラを見抜く
    3. 担当者(Webディレクター)の質を見極める「キラークエスチョン」
    4. 「安さ」の理由を構造的に問いただす
  6. 5. 「作って終わり」にしないための成果創出必須項目
    1. 運用・更新の自走化(CMS設計とレクチャー)
    2. 分析環境の構築(データドリブンへの布石)
    3. アフターフォローと保守契約(SLAの確認)
  7. 6. リセットではなく、再利用・再価値化:「リヌーボデザイン」の視点
    1. 「もったいないホームページ」を救うリノベーション型Web制作
    2. 失敗したホームページを再生する「4つのRe」プロセス
  8. 7. 結論とアクションプラン:今すぐ始めるべき第一歩
    1. あなたのホームページは「健康」ですか? 一度診断してみませんか?
      1. セッション内容
      2. このような方におすすめ
      3. 料金

はじめに:ホームページリニューアルの構造的課題と「ガチャ」の正体

Web制作業界には「制作会社ガチャ」という俗語が存在するように、依頼先の選定がプロジェクトの成否を大きく左右する不確実性があります。

しかし、この不確実性は、単なる運によるものではなく、依頼側の準備不足や知識不足、そして業界の商流構造を理解していないことによって増幅されている側面が強いのです。

本記事では、これからホームページのリニューアルを検討している企業の担当者、経営者に向けて、最適な依頼先の見つけ方と、失敗を防ぐための正しい依頼方法を徹底的に解説します。

単なる価格比較や業者リストの羅列ではなく、業界の構造的な課題、依頼側が陥りやすい心理的な罠、各チャネルのメリット・デメリット、そして成果を出すために不可欠な準備プロセスまでを網羅し、Web制作業界の「ブラックボックス」を解き明かします。

ホームページリニューアルの成功は偶発的なものではなく、論理的なプロセスによって手繰り寄せることが可能です。

「リセット」への依存とリノベーションの必要性

多くの失敗事例に見られる共通点は、現状の課題を深く分析せずに「とりあえず古くなったから作り直す」「成果が出ていないから全部作り直す」という安易なリセット思考(スクラップ&ビルド)です。

しかし、本来ホームページは企業の資産であり、過去のコンテンツやドメインの評価など、活かすべき価値が多く含まれています。ゼロから作り直すことは、これらの資産を捨て去るリスクも孕んでいます。

本記事では、単なる作り直しではなく、既存の価値を活かしながら成果を最大化する「リノベーション型」の思考法についても言及し、リヌーボデザインが提唱する「再生」の哲学を交えながら、本質的な解決策を提示します。

1.失敗の確率を下げるための「正しい依頼準備」:RFP(提案依頼書)の設計

適切な制作会社を探し始める前に、最も重要かつ不可避なプロセスがあります。それがRFP(提案依頼書)の作成です。

多くのプロジェクトが失敗する最大の要因は、このフェーズを飛ばし、曖昧な要件のまま「とりあえず見積もりが欲しい」と制作会社に接触することから始まります。

RFP(提案依頼書)の本質的な役割

RFPとは、発注側が制作会社やWebデザイナーなどに対して「どのようなホームページを作りたいか」「解決したい経営課題は何か」「予算や納期、技術的要件は何か」を具体的かつ網羅的に示した文書です。

RFPを作成することは、単なる資料作成作業ではなく、プロジェクトの設計図を描く行為そのものです。

RFPには以下の3つの本質的な役割があります。

  • 要件の明確化による認識齟齬の防止(防衛的役割)
    社内の関係部署や決裁者の意見を統一し、制作会社との間で「言った言わない」のトラブルや、追加費用の発生を防ぎます。制作会社にとっても、要件が明確であればリスクヘッジのための余分な「バッファ費用」を見積もりに乗せる必要がなくなるため、適正価格での提案が可能になります。
  • 提案の質の向上(攻撃的役割)
    制作会社は課題が明確であればあるほど、その課題に対する具体的な解決策(ソリューション)を提案しやすくなります。曖昧な依頼には曖昧な提案しか返ってきません。熱意あるRFPは、制作会社のクリエイティビティと本気を引き出すトリガーとなります。
  • 比較検討の公正化(評価的役割)
    各社が同じ条件(要件)に基づいて提案するため、見積もり金額や提案内容を横並びで公正に評価できます。前提条件がバラバラでは、金額の高い・安いの判断すら不可能です。

成果を出すRFPの必須構成要素

RFPに記載すべき項目は多岐にわたりますが、制作会社から質の高い提案を引き出すためには、以下の要素を漏れなく記述する必要があります。

項目カテゴリー具体的な記載内容とポイント目的と効果
プロジェクト概要プロジェクト名、実施背景、最終的なゴール(KGI/KPI)、リニューアルの動機何のためにリニューアルするのか、その熱意と経営的な重要性を伝えます。「なぜ今なのか」を明確にすることで、プロジェクトの緊急度を共有します。
会社・事業概要企業理念、事業内容、主要商品・サービス、競合他社、市場での立ち位置制作会社に自社のビジネスモデルを深く理解させ、単なるデザインではなく、ビジネス戦略に基づいたマーケティング視点での提案を引き出します。
現状の課題「問い合わせが少ない」「更新性が低い」「スマホで見づらい」「ブランドイメージと乖離している」など解決すべき「痛み(ペイン)」を共有します。課題は具体的であればあるほど、提案されるソリューションの精度が高まります。
ターゲット(ペルソナ)年齢、性別、職業、役職、居住地、抱えている悩み、ホームページ閲覧時の心理状況「誰に」伝えたいかを明確にします。具体的なペルソナ(例:30代後半の決裁権を持つ人事部長、課題は採用コストの削減)を設定することで、UX設計の指針とします。
機能要件CMS(WordPress等)導入、問い合わせフォーム、会員機能、SSL対応、多言語化、MAツール連携開発工数(エンジニアの稼働時間)に直結するため、予算見積もりの精度を高めるために必須です。MUST(必須)とWANT(あれば尚良し)に分けて記載すると柔軟な提案が得られます。
予算・納期予算の上限(またはレンジ)、公開希望日、マイルストーン(中間確認時期)実現可能な提案範囲を限定し、無駄なコミュニケーションコストを削減します。予算を隠すと、制作会社は松竹梅の提案を用意せざるを得ず、工数が分散します。
デザイン・トーン&マナー参考サイト、ブランドガイドライン、好みのテイスト、避けるべき表現視覚的なイメージのズレ(「かっこいい」の定義の違いなど)を防ぎます。具体的なURLを挙げて「このホームページのどの部分が良いか」を言語化することが重要です。
制作体制・役割分担原稿作成、写真撮影、素材提供の責任分界点「誰がやるか」を明確にしないと、スケジュール遅延や追加費用の最大の原因となります。社内リソースの可否を正直に伝えます。

目的設定の成否:「良い目的」と「悪い目的」

RFPの中で最も魂を込めるべきなのが「目的」の設定です。ここが曖昧だと、制作会社は提案の軸を定着できず、表面的なデザインの提案に終始してしまいます。

NGな目的の例(曖昧・手段の目的化)

  • 「デザインが古くなったので、今風にかっこよく刷新したい」(「かっこいい」の定義が不明確)
  • 「競合他社がリニューアルしたので、うちも合わせたい」(追随だけでは差別化できない)
  • 「とにかくアクセス数を増やしたい」(質の悪いアクセスが増えても意味がない)
  • 「社長が変えたいと言っている」(担当者の熱意や戦略が見えない)

良い目的の例(定量的・経営課題直結)

  • 「採用サイトからの質の高いエントリー数を月間10件から30件に増やし、採用エージェントコストを年間500万円削減したい」
  • 「資料請求後の商談化率を現状の5%から10%へ引き上げ、営業効率を改善したい」
  • 「ECサイトのカート放棄率を改善し、月商500万円から700万円を目指したい」
  • 「サポートページを充実させ、電話による問い合わせ件数を20%削減し、カスタマーサポートの負荷を軽減したい」

数値目標(KPI)を設定することで、制作会社は「デザイン」だけでなく「どうやってその数値を達成するか」というマーケティング戦略まで踏み込んだ提案を行うようになります。

2. 予算別・市場相場から見る依頼先の選定区分とリスク

Web制作の費用には、家電製品のような「定価」が存在しません。人件費(工数)が原価の大部分を占めるため、関わるスタッフの人数、スキルレベル、拘束時間によって価格が変動します。

しかし、市場相場には明確な「価格帯による提供価値のレイヤー」が存在します。

自社の予算と目的を照らし合わせ、適切なレイヤーの依頼先を選定することが、ミスマッチを防ぐ第一歩です。

価格帯別サービス比較と選定基準(2025年版市場相場)

以下の表は、予算規模別の依頼先の特徴、メリット、デメリット、推奨されるケースをまとめたものです。

予算規模主な依頼先提供される価値・制作手法メリットデメリット・リスク推奨ケース
10〜50万円・フリーランス
・格安制作会社
・クラウドソーシング
【テンプレート型】
既存テーマの流用。
原稿・写真は依頼主が支給。
デザイン修正は限定的。
圧倒的な低コスト。
納期が短い(1ヶ月以内も可)。
最低限のネット上での存在感を確保できる。
戦略設計やマーケティング支援は皆無。
デザインのオリジナリティが低い。
公開後のサポートが手薄。
個人の場合、連絡が途絶えるリスク(飛ぶ)あり。
名刺代わりのホームページ。
創業期で資金がない場合。
LP(ランディングページ)単体。
50〜200万円・中小規模の制作会社
・地元の制作会社
【セミオーダー型】
テンプレートベースのカスタマイズ、または一部オリジナル。
CMS(WordPress等)導入。
基本的なスマホ対応。
品質の一定担保。
対面やZoomでの打ち合わせが可能。
ディレクターが進行管理を行う安心感。
更新システムの導入が標準。
マーケティング戦略の深堀りは限定的。
担当者によって品質にバラつきがある。
複雑な機能開発や高度なSEO対策は別料金。
「作って終わり」になりがち。
企業サイト。
小規模な店舗のホームページ。
既存ホームページの見た目刷新。
200〜500万円・Webマーケティング会社
・中堅制作会社
・ブランディング会社
【フルオーダー型】
完全オリジナル設計。
市場調査、競合分析、ペルソナ設計。
SEO・コンバージョン対策。
撮影・ライティング支援。
事業課題に基づいた戦略的設計。
差別化された独自デザイン。
成果を出すための導線設計。
公開後の運用サポート体制も整っていることが多い。
費用が高額。
制作期間が長い(3〜6ヶ月)。
社内リソース(原稿確認、定例会など)も多く求められる。
投資対効果のシビアな判断が必要。
採用強化、集客増、ブランド価値向上を目的とするリニューアル。
中堅企業の公式ホームページ。
オウンドメディア構築。
500万円以上・大手制作会社
・広告代理店
・システム開発会社
【大規模構築・統合型】
大規模システム連携(基幹システム等)。
高度なブランディング。
多言語展開、多角的なプロモーション。
最高レベルの品質保証とセキュリティ。
大規模アクセスへの負荷対策。
CMや交通広告と連動したプロモーション。
倒産リスクが低く、長期的なパートナーシップが可能。
莫大なイニシャルコストとランニングコスト。
意思決定プロセスが複雑化する。
中小企業にはオーバースペック。
代理店の場合、実作業は下請けが行うため中間マージンが発生。
大企業のグローバルサイト。
大規模ECサイト。
会員制ポータルサイト。
官公庁・自治体サイト。

予算設定の落とし穴:「安さ」の代償と「高さ」の理由

「安ければ良い」という発想は、Webリニューアルにおいて最も危険なギャンブルです。

安価な制作会社やフリーランスが利益を出すためには、徹底的に「工数」を削るしかありません。それはつまり、ヒアリングの時間を削り、戦略を練る時間を削り、品質チェックの時間を削ることを意味します。結果として、「見た目はそれっぽいけれど、中身のないホームページ」が量産されることになります。

一方で、高ければ必ず成功するわけでもありません。大手代理店に依頼する場合、費用の30〜50%が「進行管理費」や「ブランド料」として消え、実際の制作は下請けの制作会社が行っているケースも多々あります。

重要なのは、「投資対効果(ROI)」の視点です。

例えば、採用コストを年間1,000万円かけている企業が、採用サイトのリニューアルに300万円を投資し、結果として採用エージェントへの支払いを500万円削減できれば、その投資は1年未満で回収でき、2年目以降は利益を生み続けます。

このように、リニューアルによって得られる「利益」や「削減できるコスト」から逆算して予算を設定することが、経営的な視点での正解となります。

3. 依頼先チャネル別の特徴と注意点:どこで探すべきか

依頼先を探すルート(チャネル)は多様化しています。それぞれのチャネルには固有のメリットだけでなく、構造的な「落とし穴」が存在します。自社のリテラシーや体制に合わせて最適なチャネルを選ぶ必要があります。

4.1 知人・友人の紹介

多くの経営者が最初に頼るのが「知り合いの紹介」ですが、実はトラブル発生率が非常に高く、人間関係まで壊しかねない危険なルートです。

メリット

信頼関係があるため、初期のコミュニケーションがスムーズ。融通が利きやすく、相場より安く請け負ってくれる場合がある。

注意点とリスク(友達価格の罠)

  • 「なあなあ」な契約
    契約書を交わさずスタートし、「どこまでやるか」の範囲が曖昧なまま進行するため、仕様変更や追加修正のフェーズで泥沼化します。
  • 品質への妥協と沈黙
    仕上がりに不満があっても、紹介者の顔を立てるため、あるいは友人関係を壊したくないために強く修正を要求できず、不本意な妥協を強いられます。
  • 保守の継続性
    個人のフリーランスの場合、就職、転居、病気などの事情で連絡がつかなくなり、ホームページの管理権限ごと行方不明になる「サイト孤児」リスクがあります。
  • 断りにくさ
    提案内容が自社に合わなくても断りづらく、消去法で発注してしまうケースが散見されます。

Web制作会社マッチングサイト・一括見積もりサービス

「アイミツ」「発注ナビ」「Web幹事」「比較ビズ」などのサービスは、効率的に複数の会社を探せるツールとして普及していますが、そのビジネスモデルを理解して利用する必要があります。

ビジネスモデルの構造

多くのマッチングサイトでは、発注者側は「無料」ですが、制作会社側が「掲載料」や「紹介手数料(リード課金、1件あたり数万円)」、あるいは「成約手数料」を支払っています。

つまり、そこに登録されているのは「広告費を払ってでも仕事を取りたい(営業が必要な)制作会社」です。実力があり、紹介や指名だけで手一杯の「人気制作会社」は、わざわざ手数料を払ってまで登録しない傾向があります。

メリット

  • 短期間で多数の会社から見積もりを集められる。
  • コンシェルジュが間に入り、要件整理を手伝ってくれるサービスもある。

注意点とリスク

  • 一括見積もりを依頼した直後から、登録業者から一斉に営業電話がかかってくることがあります。
  • 提案の質よりも「価格競争」になりやすく、安値を提示した会社が選ばれがちです。「安かろう悪かろう」の業者を引くリスクが高まります。
  • マッチングサイト側の担当者はWeb制作のプロではない場合があり、専門的なマッチング精度には限界があります。

地元の制作会社(近隣の制作会社)

Googleマップなどで「地域名 + ホームページ制作」と検索して探す方法です。

メリット

  • 物理的な距離が近いため、対面での打ち合わせが容易で、信頼関係を築きやすい。
  • その地域の商習慣、競合状況、ローカルなトレンドを理解している。
  • 「顔が見える」安心感があり、トラブル時も駆けつけてくれる可能性がある。

注意点とリスク

  • 技術・トレンドの遅れ
    東京や大阪などの大都市圏の最先端企業に比べ、デザインの流行、最新のSEO技術、マーケティング手法に疎い場合があります。
  • 殿様商売
    地域内での競合が少ない場合、相場より高い費用設定や、サービスの質の向上が停滞している「殿様商売」の会社も存在します。

クラウドソーシング(ランサーズ、クラウドワークス等)

個人のフリーランスや副業者に直接依頼する方法です。

メリット

  • 圧倒的な低コスト。制作会社の半額以下で発注できることも珍しくありません。
  • 部分的な改修、バナー制作、LP制作など、スポット(単発)の依頼には最適です。

注意点とリスク

  • 品質の「ガチャ」要素が最大
    スキルの高いプロから、実務未経験の駆け出しまで玉石混交です。
  • ディレクション能力の欠如
    基本的に「指示されたものを作る」スタンスの制作者が多いため、発注側が詳細な指示書(ワイヤーフレーム等)を用意し、進行管理を行う必要があります。発注側のリテラシーが高くないとプロジェクトは破綻します。
  • 音信不通リスク
    プロジェクトの途中で連絡が取れなくなるケース(飛ぶ)が、企業間取引に比べて頻発します。

検索エンジン・SNSでの直接検索(指名検索)

「業種名 + Web制作」「Web制作会社 おすすめ」や、X(旧Twitter)、Instagramなどで検索し、自力で探す方法です。

メリット

  • 自社のホームページでSEO対策ができている会社(=SEOの実力がある証明)や、SNSで有益な情報を発信している信頼性の高い会社を直接見つけられます。
  • 自社の好みに合うデザインや、企業文化の合う会社を能動的に選べます。

注意点

  • 膨大な数の制作会社から選定する手間と時間がかかります。
  • 検索上位の会社が必ずしも自社の予算感や規模感に合うとは限りません。

4. 失敗しないための「ガチャ」回避法:選定の具体的基準とチェックポイント

候補となる制作会社をリストアップした後、どのように絞り込めばよいのでしょうか。

表面的な「実績数」や「見積額」だけでなく、以下の深層的なポイントをチェックすることで、失敗のリスクを劇的に下げることができます。

ポートフォリオ(制作実績)の「解像度」を上げる

実績ページを見る際、単に「デザインが綺麗か」「有名な企業のホームページを作っているか」だけを見てはいけません。

  • 担当範囲の確認
    「デザイン」や「コーディング」だけでなく、「企画」「戦略」「マーケティング」が含まれているかを確認します。見た目だけを作ったのか、上流工程の戦略から関わったのかで、その会社の価値は全く異なります。
  • 成果の記述
    「リニューアル後、問い合わせが200%増加しました」「採用応募数が倍増しました」といった具体的な数値成果や、解決した課題が記載されているかを見ます。デザインの美しさの説明に終始している会社は、ビジネスへの貢献意識が低い可能性があります。
  • 業界の幅と深さ
    自社と同じ業界の実績があるかは安心材料になりますが、逆に全く異なる業界でも「課題解決のプロセス」が共通している(例:BtoBのリード獲得構造が似ている)場合も評価できます。

Googleマップの口コミを「裏読み」してサクラを見抜く

Googleマップの口コミは、制作会社の実態を知る貴重な情報源ですが、近年は「サクラ」や「やらせ(MEO対策業者による工作)」も横行しています。以下の点に注意して分析します26

  • U字型分布への警戒
    評価が「★5」と「★1」に極端に二極化している場合、★5はサクラや関係者、★1は実際の不満客である可能性が高いです。自然な高評価店は、★5から★3にかけてなだらかに分布します。
  • コメントの具体性と熱量
    「素晴らしい対応でした」「おすすめの会社です」といった定型文のような短文ばかりの★5は要注意です。一方で、「担当の〇〇さんが、こちらの意図を汲み取って〜」「当初の予定より遅れたが、リカバリー策が〜」といった具体的なエピソードや苦言が含まれる口コミは、実在の顧客による信頼性の高い情報と言えます。
  • オーナー返信の有無と質
    ネガティブな口コミに対しても、感情的にならず誠実に返信し、改善の姿勢を示している会社は、トラブル時の対応も信頼できると判断できます。

担当者(Webディレクター)の質を見極める「キラークエスチョン」

契約後のプロジェクト進行は、会社の看板や規模よりも、実務を担当する「Webディレクター」個人の力量とコミュニケーション能力に100%依存します。契約前の面談で、以下の質問を投げかけて、担当者の資質を見極めてください。

御社の制作体制において、本日の打ち合わせ担当者がそのまま制作担当(ディレクター)になりますか?

営業担当と制作担当が分かれている(分業制)場合、契約後に経験の浅い「新人ディレクター」がアサインされるリスクがあります。「誰が担当になるか」を確認し、可能であればその候補者の実績を見せてもらいましょう。

リニューアルで成果が出なかった場合、どのような改善提案をしてくれますか?

「必ず成果が出ます」と無責任に断言する会社は信用できません。「解析ツールを入れてボトルネックを探し、A/Bテストを行います」「四半期ごとにレビュー会を実施します」といった具体的な運用・改善プロセスを論理的に語れる会社を選びましょう。

私たちが用意すべき原稿や素材は具体的にどれくらいですか? スケジュールへの影響は?

「全部お任せください」は耳障りは良いですが危険信号です。良いホームページはクライアントと制作会社の共同作業で作られます。「御社には〇〇と〇〇をご用意いただく必要があり、それが遅れると納期がこれだけ遅れます」と、リスクと役割分担を明確に、厳しく説明してくれる担当者こそが誠実です。

「安さ」の理由を構造的に問いただす

見積もりが他社より極端に安い場合、そこには必ず理由(からくり)があります。

  • テンプレートを使うからデザイン工数がないのか?
  • ヒアリング回数を1回に制限しているからか?
  • SEO対策やスマホ対応、ブラウザ検証がオプション扱いになっていないか?
  • 下請けやオフショア(海外)に丸投げしているからか?

安さの理由が「独自の開発ツールによる効率化」などの技術革新であれば良いですが、「必要な工程の削減」や「品質管理の放棄」であれば、それは将来的な成果を削っていることと同義です。「なぜ安いのですか?」とストレートに聞いてみましょう。

5. 「作って終わり」にしないための成果創出必須項目

ホームページは「公開した日」がスタート地点です。しかし、多くのリニューアルプロジェクトは「公開」がゴール(完了)になってしまい、その後放置され、徐々に陳腐化していきます。これを防ぐために、契約段階で以下の項目を盛り込むか、確認しておく必要があります。

運用・更新の自走化(CMS設計とレクチャー)

「お知らせを1つ更新するのに、いちいち制作会社に依頼して数千円かかる」「修正依頼から反映まで1週間かかる」という状態では、ホームページの最大の武器である「速報性」が失われます。

  • CMSの選定
    自社のリテラシーに合わせて、WordPressなどの汎用CMSや、更新しやすいノーコードツールが提案されているか。
  • マニュアルと教育
    納品時に、操作マニュアルの作成や、担当者への操作レクチャー会が見積もりに含まれているか。自社で更新できる範囲(テキスト、画像、ニュース等)と、制作会社に依頼すべき範囲(レイアウト変更等)の線引きを明確にしておきます。

分析環境の構築(データドリブンへの布石)

成果を計測し、改善するための土台です。これがないと、リニューアルの効果検証ができません。

  • ツールの導入
    Google Analytics 4(GA4)やGoogle Search Consoleの設置は必須です。
  • コンバージョン設定
    単にツールを入れるだけでなく、「問い合わせ完了」「資料請求完了」「電話タップ」などの重要なアクション(コンバージョン)が計測できるように設定されているか。

これらが初期費用に含まれているか、オプションなのかを確認します。

アフターフォローと保守契約(SLAの確認)

公開後のトラブル対応や、小規模な修正に関する取り決めです。

  • インフラ管理
    サーバー・ドメインの管理主体はどこか。自社管理か、制作会社代行か。
  • 瑕疵担保責任
    公開後にバグや表示崩れが見つかった場合、いつまで無償で修正してくれるか(通常は3ヶ月〜1年)。
  • 保守費用の内訳
    月額保守費用(管理費)を支払う場合、その対価は何か。「サーバー代だけ」なのか、「月1回のレポート提出」「CMSのバージョンアップ対応」「軽微なテキスト修正」が含まれるのか。何もしないのに管理費だけ取り続ける業者もいるため、サービス内容を厳密にチェックします。

6. リセットではなく、再利用・再価値化:「リヌーボデザイン」の視点

ここまで、一般的な「正しい選び方」を解説してきましたが、それでもリニューアルに失敗してしまった、あるいは「これからリニューアルしたいが、過去の失敗がトラウマになっている」「予算が限られており、フルリニューアルは難しい」という企業様へ、新しい視点を提示します。

「もったいないホームページ」を救うリノベーション型Web制作

多くの制作会社は、売上を最大化するために「スクラップ&ビルド(完全な作り直し)」を提案します。

しかし、それでは過去にかけたコストや、これまで積み上げてきたコンテンツ資産、Googleからのドメイン評価が無駄になってしまいます。

リヌーボデザインは、「リニューアル後専門」のプロフェッショナルとして、「リセットではなく、再利用・再価値化」を哲学に掲げています。

期待した成果が出ていないホームページを、安易にゼロから作り直すのではなく、既存の価値ある部分(ドメインパワー、記事コンテンツ、オシャレなデザインなど)を最大限に活かし、問題点(ボトルネック)だけを外科手術的に修正して蘇らせる「リノベーション型Web制作」を提唱しています。

失敗したホームページを再生する「4つのRe」プロセス

私たちは、以下の独自プロセスで「働かないもったいないホームページ」を「稼ぐホームページ」へと転換させます。

プロセス意味アクション内容目的
1. Re:Think
(再定義)
思考の整理ホームページの目的・ターゲット・提供価値をゼロベースで見直し、「何を達成すべきか」を再合意します。迷走しているプロジェクトの「軸」を正し、関係者のベクトルを合わせます。
2. Re:Design
(再設計)
構造の最適化ユーザー心理(UX)に基づき、導線や情報の優先順位を再設計します。単なる見た目の変更ではなく、心理的アプローチを行います。ユーザーの離脱を防ぎ、コンバージョン(成果)への道を滑らかにします。
3. Re:Build
(再構築)
技術的改修既存資産を活かし、必要な箇所(フォーム、スマホ対応、表示速度等)のみを改修します。フルリニューアルよりもコストと期間を圧縮します。最小限の投資で最大限のパフォーマンスを引き出します。
4. Re:Value
(再価値化)
資産への昇華ブランドとコンテンツの価値を再評価・発信し、ホームページそのものを企業の永続的な”資産”へと昇華させます。一過性のキャンペーンではなく、長く愛され、成果を生み続ける仕組みを作ります。

「リニューアルしたばかりなのに問い合わせが来ない」「制作会社に”仕様です”と言われて改善してくれない」「どこに相談すればいいかわからない」といった悩みを持つ企業こそ、私たちの「再生技術」が最大限に活きる領域です。

7. 結論とアクションプラン:今すぐ始めるべき第一歩

ホームページリニューアルの成功は、良い制作会社を偶然見つける「運」によって決まるものではありません。

正しい準備(RFP)、適切な予算配分、構造的なリスクへの理解、そして選定眼を持つ「知識」によって、必然的に手繰り寄せるものです。

  • RFP(提案依頼書)を作成し、目的を数値化する
    曖昧な依頼は曖昧な結果しか生まない。
  • 予算を「消費」ではなく「投資」と捉える
    市場相場を理解し、ROI(投資対効果)で判断する。
  • 「人」と「プロセス」を見極める
    安易な紹介やマッチングサイトに依存せず、担当者の質と提案の具体性を評価する。
  • 「作り直し」だけが正解ではない
    既存資産を活かす「リノベーション」という選択肢を持つ。

あなたのホームページは「健康」ですか? 一度診断してみませんか?

もし、現在運営しているホームページ、あるいはリニューアルしたばかりのホームページに不安があるなら、まずは現状を客観的かつ専門的に把握することから始めませんか?

リヌーボデザインでは、「サイト診断セッション」を実施しています。

セッション内容

  • ホームページの現状をプロの視点で分析し、「なぜ成果が出ないのか」「どこを直せばよいのか」をピンポイントで特定します。
  • Zoomによる45分の対面セッションで、一方的な分析レポートの送付ではなく、対話を通じて課題を深掘りします。
  • 営業の場ではありません。すぐに実践できる具体的なアクションプランをお持ち帰りいただけます。

このような方におすすめ

  • リニューアルしたが、問い合わせが増えない(むしろ減った)。
  • SEO対策をしているつもりだが、順位が上がらない。
  • 制作会社からの提案が妥当かどうかわからない(セカンドオピニオンが欲しい)。
  • 何から手をつければいいか迷っている。

料金

通常11,000円のところ、キャンペーン価格 5,500円(税込)で提供中です。この価格は、本気でホームページを改善したい企業様を支援するための特別設定です。

「これ以上、Web制作で失敗したくない」「今あるホームページを活かして、確実に成果を出したい」とお考えの方は、ぜひ一度、診断セッションをご利用ください。あなたホームページに眠る可能性を、共に再発見しましょう。

私たちは“リニューアル後”のWeb再生の専門家です

私たちリヌーボデザインは、リニューアルに失敗したWebサイトを「再生」させることに特化しています。

Re:Think → Re:Design → Re:Build → Re:Valueの4つの再生プロセスで、あなたの「もったいないサイト」を「働くサイト」へ生まれ変わらせます。

ここまで築き上げてきた価値を最大限に活かし、問題点だけを的確に修正して蘇らせる「リノベーション型Web制作」を行っています。

失敗した…と諦める前に、ぜひご相談ください。

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